「測量士」から「土地家屋調査士」に転職する!

土地家屋調査士業界へ就職・転職予定の方に向けて

測量士資格保有者は土地家屋調査士の試験勉強で有利か

2026-01-06 15:42:41
2026-01-06 15:46:14
目次

ご存じの通り、土地家屋調査士試験においては、測量士(補)資格者向けに午前免除の制度が設けられてます。この制度は多いに活用されるべきと考えます。最短合格の鍵は、午前免除によって得た貴重な時間を、実務とは異なる「試験作法」と「法律知識」へいかに純度高く投資できるかにあります。

1. 現場と両立する受験スケジュール:公共測量から調査士へのステップアップ

測量業界に身を置きながらの受験は、体力的・時間的な制約が非常に厳しいのが現実です。私の場合、会社の方針で測量士を取得していたことが、調査士試験における「午前免除」という最大の恩恵に繋がりました。現在、公共測量に従事している方は、将来の調査士資格取得を見据えて測量士(または補)を確実に取得しておくべきです。これにより、平日の限られた学習時間をすべて午後の部の記述・法規対策へ充てることが可能になり、仕事との両立が現実的なものとなります。

2. 測量士と調査士の試験内容:多くは重複しません

正直なところ、測量士試験と土地家屋調査士試験の内容が直接重複する部分は決して多くありません。測量士の試験は実務に即した技術論が中心ですが、調査士はあくまで「登記」のための測量・法律が主眼です。もしあなたが最短での調査士取得を第一に考えるのであれば、学習コスト(お金・時間)を抑えるために「測量士補」の取得に留めるのも賢明な判断です。一方で、測量士の知識は実務に出た際の強固なベースとなるため、自分のキャリア形成に合わせた「免除資格」の選択が重要です。

3. 計算作法のギャップ:CADの利便性を捨て「複素数モード」を身体に刻む

実務経験者が最も違和感を覚えるのが、電卓による手計算です。日頃CADが瞬時に弾き出す座標計算を、試験では複素数モードの電卓を使い、1ミリの狂いも許されないプレッシャーの中で行わなければなりません。「実務でこの計算を自力でする場面があるか?」という疑問は、試験においては一切不要です。理屈ではなく、機械的な処理として電卓を指に馴染ませる訓練こそが、午後の部を攻略する唯一の道です。

4. 「プロの自信」が招く油断:同じ測量でも「目的」が違えばルールも違う

「測量なら日常業務だ」という自負が、学習の足かせになることがあります。公共測量と、登記を目的とした調査士の測量では、求められる精度や手続きの細部、根拠法が明確に異なります。実務経験があるからこそ、「同じ測量といえど、中身を詰めれば詰めるほど別物である」という事実を謙虚に受け止めなければなりません。実際に調査士の勉強を始めた測量士は、経験してきたことがそのまま調査士の世界に生かせるとは限らないことに気づかれると思います。

5. まとめ:最短合格ためには「測量士のプライドを横に置くこと」

測量士としての知識や経験は、合格後の実務においては間違いなく「強力な武器」になります。しかし、試験という戦場においては、その武器が時に動きを鈍らせる重りにもなり得ます。最短合格を目指すなら、一度そのプライドを横に置き、調査士試験という独特のルールに徹底して染まってください。免除というアドバンテージを最大限に活かし、実務者の強みを「試験の正解」へと変換できた時、合格の二文字は自ずと手に入ります。

この記事を書いた人

横浜調査士.jp

令和に合格し、令和7年に公共測量の世界から土地家屋調査士へと転身しました。 受験生時代、予備校の情報は溢れているのに「実際の現場はどうなの?」というリアルな情報が驚くほど少ないことに、私自身もどかしさを感じてきました。 同じ測量業界とはいえ、公共測量と調査士業務は似て非なるもの。 日々直面するギャップや、飛び込んで初めてわかった業界の裏側を、包み隠さずお届けします。 「資格のその先」を知りたいあなたの一助になれば幸いです。 ◆プライバシーポリシー・免責事項 https://yokohama-chousashi.jp/articles/5